てだこウォーク2012

恒例の、といっても今年でまだ2回目だけど、てだこウォークに参加してきた。浦添市民となってからは初の参加。距離は前回同様20kmコースだけど今回はキャンプキンザー内を縦断するルート。来沖して9年、実はこれまで一度も基地内に入ったことがないので緊張と期待で胸が高鳴る。

一週間前から雨予報だったけど、昨夜、突然晴れ予報に変わり、晴れ男の面目躍如。同伴した義妹も晴れ女らしく、結局昨年に引き続き快晴の中でのウォーキングとなった。

ルート的には特に激しい高低差もなく、前回の登山コースよりは圧倒的に楽に歩けるだろうとタカをくくっていたものの、実際に歩き出すと1km過ぎでもうヘトへト。定期的にウォーキングをしていた一年前と比べ、明らかに体力が落ちているのを痛感した。加齢のせいもあるだろう。この先、どんどん体力は落ちていく一方だ。

イヤというほどよく知っている浦添の街中を闊歩し、いよいよキャンプキンザー内へ。このあたりが中間地点。初めての基地ということでただでさえドキドキしていたのに、自分の前に『やんばるの森にオスプレイはいらない』という刺激的なノボリを掲げたお兄さんが歩いていたのでいやが上にも緊張は高まる。自分もオスプレイはいらないと思うが、大丈夫か。

海兵隊のお兄さん方がにらみをきかせているゲートをなんとか無事に通過し、基地内に入ると空気が変わった。いや、気のせいか。でもなんだかアメリカな感じ。思い込みもあるだろうけど、そこはもう日本ではなかった。広大な敷地内にゆったりとした密度で広がる住宅、施設、運動場。人口過密と渋滞で頭を悩まし続ける那覇市浦添市のすぐそばに、こんなに広闊な土地が堂々と存在していたのだ。これは由々しき問題と言わざるを得ない。基本的に基地反対のスタンスだけど、基地撤退が無理ならせめて規模を縮小してくれと声を大にして言いたい。そしてその土地を自分に譲ってくれと声を小さくして言いたい。見る限り、あまり有効活用されていない感じだったぞ。

さて、バーガーキングである。それはちょうどキャンプキンザー内の真ん中あたりに存在していた。今回はバーガーキングで昼食をとるというミッションを密かに自分に課していた。その為に一週間前から英語の発音を練習していたほどだ。なにしろ19歳の頃訪れたアトランタのバーガーショップでまったく注文が伝わらず、涙で枕を濡らした暗い過去を持つ自分なので、リベンジに燃えていたのだ。

が、しかし、店員はすべて日本人だった……というベタなオチ。

店内に飛び交う「◯番でお待ちのお客様お待たせしました〜」の声。メニューはすべて英語だったし価格もドル表示だったけど、日本語も日本円もまったく問題なく使えた。ここは日本? 外国? まあ安くておいしい食事が出来たのでよしとしよう。ちなみにドリンクはおかわり自由だった。「紙コップを持ち帰れば次に来る時もタダで飲める」と言っているおばさんがいたけど、自分の"次"はたぶん早くても一年後なので断念した。

それにしても、基地内のムードは仕事に忙殺される毎日から脱出させてくれるのに十分だった。自宅から数分のところにこんなに異国情緒あふれるスポットがあったとは。まるでハワイかグァムかサイパンに来たみたいだった。南の島大好き人間の自分のスイッチが完全にオンになった感じ。波照間島にも行きたいけど、その前にまたグァムくらいには行きたいなぁ。せっかく那覇からの直行便も出来たことだし。

そんな非日常のキャンプキンザーを出ると、そこはもう浦添市。たった1秒で現実に戻る。心なしか気温も暑くなったような気がする。明日の仕事のことも思い出してテンションはガタ落ちの中、家の近所のルートを経由しなんとかゴール。前回は5時間だったので、今回は4時間30分を目標に掲げていたのに、なぜか記録は6時間だった。バーガーキングでの30分を差し引いても情けないタイム。念願の基地に入れたわけだから、骨折り損のくたびれ儲けとまでは言わないけど、なんとしょっぱい記録となってしまったことよ(感嘆)。

本当はこれで勢いにのってなんぶトリムマラソンにエントリーする予定だったけど、もちろん断念した。身の丈にあった運動だけをこれからも細々と続けていこう、うん。