簿記3級に15時間の勉強でとりあえず合格だけする方法

11月18日に行われた日商簿記検定3級に無事合格していたので記念エントリ。前回のFP3級に続いて「とりあえず合格だけ」シリーズ第2弾です。例によって、実務で使うとか2級を目指すという方はまじめに勉強に取り組んだほうがいいです。

で、簿記3級ですが、正直試験前はナメてました。まわりに持っている人たくさんいるし、高校生でも余裕で受かってるし、そもそも3級だから簡単だろうし、一週間も勉強すれば誰でも受かるだろうと思っていました。

が、合格率を見ればわかりますが、誰でも受かるような甘い試験ではありませんでした。難しかったです。個人的にはこれまで受けた「3級」の試験の中ではもっとも難しい試験だと思いました。暗記だけで対応できるような試験は死に物狂いで一夜漬けをすれば合格が見えてきますが、簿記は最低限の理解が伴わないと合格できません。

簿記3級の標準勉強期間はだいたい2週間から2ヶ月とされていますが、おおよそ50時間も勉強すれば合格できる試験だと思います。なので、時間がとれる人は普通に勉強したほうがいいです。ほとんどの人はこの後2級を視野に入れているでしょうし。このエントリはあくまでも時間がない、時間をかけたくない、という人向けです。

また、「こうすれば合格できる!」じゃなくて、「こうしたら合格した!」的な結果ありきの勉強法なのでご了承ください。 

簿記に必要な能力

簿記といえば計算能力が問われる試験だと思われがちですが、自分は国語力こそがもっとも必要だと思いました。

もちろん最低限の計算能力は必要ですが、四則演算がまともにできる人であれば電卓の押し間違い以外のミスはないと思います。それより大切なのは国語力、日本語力です。問題文を正確に読み取って仕訳をすることができるか、これに尽きます。「得意先振出しの約束手形を引受け……」なんていう文章から状況が把握できるかどうかが分かれ道です。 

まずテキスト読み7時間

FPの時もそうでしたが、まずはテキスト読みから始めます。資格試験は過去問が命ではあるのですが、簿記はFP検定とは違い、単純な暗記でどうにかなるような試験ではないので、簿記の基本を最低限は理解する必要があります。 

自分が選んだのは、TACの『スッキリわかる日商簿記3級』です。本屋には簿記の本は数多く並んでいますが、短期合格にはこのテキストがベストだと思います。

スッキリわかる 日商簿記3級 第6版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリわかる 日商簿記3級 第6版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

 

 まずはこのテキストを1ページずつ読んでいく作業です。FPの時は流し読み程度で十分でしたが、 今回は理解が必要なので、1ページ1ページ丁寧に読みます。単元ごとに練習問題が用意されているのでそれらもしっかりと解いてください。

最初のほうは簡単すぎるくらいだと思いますが、振替手形や貸倒引当金など、見慣れない科目が出てくるあたりから難易度が上がってきます。が、しっかりと理解できるまで読み込んでください。こういうところこそが本試験で問われるところです。 

練習問題を1時間で復習

テキスト読みがひと通り終わったら、今まで解いてきた練習問題を始めからもう一度解き直します。必ず忘れているところがあるはずです。練習問題は大事な基礎なので、必ず身につけてください。

チェックテストで1時間

最後に巻末のチェックテストを解きます。本試験に近い形式ですが、もちろん難易度は少し下がります。このチェックテストで70点以上とれなかった場合は理解が不十分ですので、もう一度テキスト読みに立ち戻ってください。

直前予想模試6時間

テキスト読みの後は過去問に行くのがセオリーですが、今回は時間がなかったのでいきなり模試を解きました。簿記は解答するのに時間がかかってしまうので、「既に出た問題」と「これから出そうな問題」を天秤にかけた結果、予想模試を選ぶことにしました。

第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記3級

第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記3級

 

が、ほとんどの方は撃沈すると思います。自分も合格点には程遠い散々な結果でした。しかし、ここでの目的は本試験の出題形式に慣れることです。また、簿記は時間との戦いでもあるので、時間配分も考えながら臨んでください。特に問3や問5はそれだけで1時間くらいかかってしまうこともあるので、仕訳やT字勘定を手早く確実にできるようにしておく必要があります。

自分は都合4回模試を解きましたが、ただの一度も合格点を超えることはできませんでした。しかし、後からわかったのですが、模試はかなり難しく作られています。おかげで本試験の問題を見たとき、「ひねりのない簡素な問題だな」と思い、気楽に臨むことができました。そして、本試験では84点を取ることができました。なので、模試が解けなくても落ち込む必要はありません。ただ、どこをどう間違えて、正しくはどうなのかはちゃんと復習しておいてください。 

最後に

簿記はまず仕訳ができなくては始まりません。すべての基本です。特に「当座借越」「振替手形」「減価償却」「利息」は頻出なので必ず得点できるようにしておいてください。ここが得点源です。

また、部分点が合否を分けることも少なくないので、分かるところは必ず埋めてください。自分も部分点を積み重ねて点数を稼ぎました。

そして、問題文の読み間違いにも注意が必要です。今回も、合計試算表を書くべきところに残高試算表を書いてしまい、不合格になった人が少なくないようです。

あと、こんなことを言っては身も蓋もないですが、最後は「運」です。自分がわかるところが出題されるかどうか、それ次第です。運じゃなく実力で合格を目指すのであれば、やっぱり50時間程度の勉強は必要になるかと思います。