司法書士受験生の机上の行政書士試験戦略

この一ヶ月、行政書士試験を受けるべきかどうか、ずっと頭を悩ませてきた。そんなに悩む時間があるならその時間を使って行政法の勉強をしておけばよかったのに、といまさら後悔してもあとの祭り。そもそも燃え尽き症候群に陥っていた自分がさして興味のない科目を勉強できたとも思えないが、とにかく貴重な一ヶ月をふいにしてしまったことだけはたしかだ。行政書士試験の受付も始まっており、早急な決断が求められる。

そもそもなぜ行政書士試験の受験を考えるのかといえば、司法書士試験と科目がいくつか重複しているからだ。具体的には憲法民法会社法・商法の三科目がかぶっているので、本格的な学習が必要となるのは行政法と一般知識だけということになる。とはいえ、行政法はもっとも配点が高い最重要科目であり、一般知識もこれといった学習法がないうえ足切りの危険性がつきまとう。一昔前ならいざしらず、行政書士試験の難度は年々上がっており、自分のような人間が少し勉強しただけで合格できるような試験ではないことはたしかだ。 

受けるからには合格しなければ意味がないわけで、ではどのくらいの得点を取れれば合格できるのか、実際にシミュレーションをしてみた。司法書士試験と重複している科目については8割見込み、行政法・基礎法学については5割見込み、一般知識については足切りギリギリの6問を取るものとして出した結果が以下の図表だ。 

 

★は司法書士試験と重複科目

科      目 配点 目標
法令 択一 基礎法学 8 4
憲法 20 16
行政法 76 38
民法 36 28
会社法・商法★ 20 16
多肢
選択
憲法 8 6
行政法 16 8
記述 民法 40 32
行政法 20 10
一般
知識
択一 文章理解 12 8
情報通信・個人情報 16 8
政治・経済・社会 28 8
合      計 300 182

 

 結果としては、ギリギリ合格できる計算となった(180点以上で合格)。もちろん余裕はまったくない。一般知識でひとつでも落としたらアウトだし、そもそも6問を狙って6問を取れるような科目でもない。

法令についても、実際に既習科目を8割取れるかと言われたら首を捻らざるをえないし、行政法を5割取るための勉強時間も想像がつかない。憲法の出題傾向も司法書士試験とは違うわけで、すべては机上の空論にすぎない。

が、可能性としては合格もありえるわけで、それが自分の頭を悩ませ続けている。行政法で8割取る勉強をしろと言われたら即座に白旗をあげるが、5割を取る勉強をしろと言われたら挑戦してみてもいいかなと思ってしまう自分がいる。さて、どうしたものか。

 

このまま悩み続けていてもきっと結論は出せないと思うので、客観的な事実に委ねてみようかと思っている。おそらく来週にも発表されるであろう司法書士試験の基準点が、午前28問以上であれば行政書士試験は受けない。基準点に満たなかった自分に寄り道をしている余裕などないからだ。逆に午前27問以下であれば受ける。万が一、いや億が一にも合格していた場合に「行政書士を受けておけばよかった」となりかねないからだ。

はたして結果は―。

 

8月12日追記

基準点の発表があり、大方の予想通り午前28問だったので断念。これでよかったんだと思う。