R&Kのサリックスが最強である理由

現在、自分がもっとよく使っているインクはROHRER & KLINGNERのサリックスです。一時期、バカみたいにインクを買い漁っていましたが、このサリックスのおかげでようやくインク沼から脱出できたと思います。いや、まだ片足はつっこんでるかも。しかし、常用インクはしばらくの間はサリックスでいきます。

 サリックスはいわゆるブルーブラックなのですが、他の同系色のインクと比較して何がいいのかというと、まず、名前がいい(笑)。いや、冗談ではなくインクの名前って付けたもん勝ち、みたいなところがあって、情緒あるネーミングだと断然興味が沸きます。色彩雫とかがそうですね。これが、単にR&Kのブルーブラックという名前だったらそもそも手に取ることすらなかったかもしれません。 

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そして、もちろん色合いもいいです。『趣味の文具箱』の色分布図では、サリックスは自分が大好きな色彩雫の深海とほぼ同じ色として扱われています。しかし、深海が少しレッドフラッシュしてしまうのに対して、サリックスはそういうことはありません。また、濃淡もしっかりと楽しめます。

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そして、単価が比較的安めというのもポイントです。サリックスをはじめ、R&Kのライティングインクは基本的に50mlで1,400円。1mlあたりの価格は28円です。これは、PILOTの色彩雫のミニボトル(46.7円/ml)はもちろん、通常ボトル(30円/ml)よりも安い価格です。また、外国製インクにしては入手がしやすいのもいいですね。

しかし、サリックスの最大の特徴は、なんといっても没食子インク(古典インク)であるということでしょう。詳しい説明はWikipediaに譲るとして、簡単にいえば耐水性にすぐれたインクだということです。一般的な染料インクで書いた万年筆の文字は、ただ一滴の水をこぼしただけでもにじんでしまうので、手紙など、文字をしっかりと書き残したいときにはこういった古典インクが役に立ちます。

ただし、古典インクは酸性が強いので鉄ペンには向きませんし、長時間使わずに放っておくと固まって詰まってしまうという注意点があります。

そこで、サリックスを思う存分使うために、専用の万年筆を買ってしまいました。普通は万年筆を使うためにインクを買いますが、インクを使うために万年筆を買うという本末転倒な暴挙。万年筆を買う際には吟味に吟味を重ねるタイプの自分ですが、この時ばかりはあっさりと金ペンを1本新調してしまいました。恐るべしサリックス。ちなみに絶対にハズレはないだろうという見込みでPILOTのカスタム74を選びましたが、ハズレどころかアタリでした。   

カスタム74はスタンダード万年筆の定番中の定番ですが、これを買って後悔する人はほとんどいないと思われます。安い・持ちやすい・書きやすいと三拍子そろった逸品。上位モデルのカスタム742、743よりも上だと言う人もいるくらいです。金玉クリップティアドロップ型クリップの形状についてはいくらか否定的な意見も見受けられますが、逆に言うとそこ以外にケチがつけるところがないとも言えます。自分もクリップの形状で敬遠していましたが、いざ持ってみると別に気にならないし、これこそTHE万年筆だという満足感も得られました。

以上がR&Kのサリックスが最強である理由です。まとめると下記のようになります。

  • ネーミングがいい
  • 色合いが良くレッドフラッシュしない
  • 比較的安価で入手も難しくない
  • 没食子インクなので水に強い
  • 専用万年筆を買わせてしまう
  • とにかくいい
  • なんかいい

もちろん、いくら良いからといって同じ色ばかり使っていると飽きが来てしまうものですが、その点、R&Kにはスカビオサという系の(!)没食子インクもあるので、交互に使えば問題ありません。サリックス、おすすめです。

 

R&K サリックス - 蔦屋書店