50mlボトルで買うべき色彩雫

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日本の美しい情景から創造されたというPILOTの色彩雫<iroshizuku>は、数多くの万年筆ユーザーをインク沼に引きずりこんだ大ヒット商品です。昨年の秋にはミニボトルが発売され、より気軽に様々な色を楽しめるようになりました。ブラックとブルーブラックしか知らなかった自分も、このミニボトルの発売を機に沼ってしまったひとりです。一ヶ月ほどまえにはまだ3色しか持っていなかったのに、今では順調に12色まで増えました。

さて、そんな色彩雫ミニボトルですが、唯一の不満をあげるとすれば、単価が高いということです。通常の50mlボトルは1,500円。15mlミニボトルだと3色セットで2,100円。50mlボトルは1mlあたり30円なのに対し、15mlボトルは1mlあたり約47円と、実に1.5倍以上もの差が出てしまいます(ちなみにPelikanのエーデルシュタインは48円/ml)。たしかに様々な種類を試せるという点ではミニボトルは便利なのですが、コストパフォーマンスを考えると、常用する色は50mlボトルで、あまり使わない色は15mlボトルで買うのがもっともお得です。

では、どの色を50mlボトルで買えばいいのか。

というと、それはもう完全に使う人の好み次第なので、自分がとやかく言ってもしかたがないのですが、これから買おうと思っている人の一助になるように、買っても決して余すことはないであろうおすすめの色彩雫を紹介したいと思います。

 

3位 月夜 

パイロット 万年筆インキ iroshizuku 月夜

パイロット 万年筆インキ iroshizuku 月夜

 

一番人気の『月夜』。さすがに人気があるだけあって、50mlボトルで買っても後悔しません。自分もこの『月夜』を使いたいがために色彩雫を買いました。ブルーブラックにかすかにイエロー黄色を加えたような色合いで、まさに月夜といった趣き。通常のブルーブラックに少し飽きてきた頃だったので、この色味にはとても衝撃を受けました。他の色彩雫も積極的に集めてみようと思ったのも、すべてはこの『月夜』がきれいだったせいです。 

 

2位 山栗 

パイロット 万年筆インキ iroshizuku 山栗

パイロット 万年筆インキ iroshizuku 山栗

 

こげ茶色とセピアを足したような色です。クリーム色のノートだと特に映えます。 以前はシグノのブラウンブラックで日記を書いていたので、それに代わるインクを探して、この『山栗』にたどり着きました。色彩雫の中では比較的地味な部類に入りますが、それだけに長文を書いても飽きがきません。普通の黒では少し寂しいという人の普段使い用としておすすめです。

 

1位 深海 

『月夜』がブルーブラックにイエローを加えたものだとしたら、この『深海』はブルーブラックにグレーを加えた感じの色です。書き始めはかなり青いのですが、少し経つと落ち着いた色合いに変わります。色彩雫はほかにも『松露』や『紅葉』など、時間の経過とともに変色するものが結構ありますが、自分はこの『深海』の変化がいちばん好きです。すうっと温度が下がっていくような、それでいて優しさにあふれた色合い。寒暖が同居している感じがたまりません。自分の中の色彩雫No.1は『深海』です(12色しか試していませんが)。

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以上、3色紹介しましたが、常用する=たくさん書くということで、目にやさしく落ち着いた色が多くなりました。しかし、竹林や天色といった淡色系も書いていて楽しいですし、色彩雫は基本的にどれも当たりだと思います。