憲法の勉強法

この春からの答練及び模試、そして本試験を通じて自分がもっとも正解率が高かった科目は憲法だ。都合24問解いて2問しか間違えなかった。他の科目とは比べものにならない正解率だ(なんと司法書士法よりも出来がいい)。

といってもこれは決して自慢できるようなことではなく、合格者は当たり前のように憲法で3問とってくる。最低でも2問は確実にとる。基準点が高くなる午前の部において、憲法を落とさないことは非常に重要な、そして基礎的な戦略であると思われる。

ところで、実は自分は憲法の勉強をほとんどしなかった。4月以降は憲法のテキストも過去問も一切開かなかった。答練や模試の解説で少し触れた程度だ。といっても別に「勉強をしてないのに点がとれた、どうだ、すごいだろ」ということではなく、実は憲法の勉強法がわからなかったのである。

憲法の勉強が難しい理由のひとつに、過去問が少ないということがある。資格試験において過去問をつぶすのは基本中の基本であるが、司法書士試験における憲法はまだ歴史が浅く、過去問の数が非常に少ない。少ないということは、未出題の論点が山ほど残っているということになる。つまり、過去問で出された論点が再び出される可能性が他の科目に比べて低いのだ。結果、過去問だけの勉強では対応は難しい。

では未出題の論点を中心にインプットに精を出せばいいのかというと、一概にそうとも言えない。もちろんそれができればベストだが、憲法の範囲は非常に広く、全範囲をくまなくインプットするには時間対効果があまりにも悪すぎる。

また、公務員試験や行政書士試験においても憲法は出題されるが、司法書士試験の憲法は知識ではなく国語力が問われることも多く、それゆえに無知でも解けることがある反面、たしかな得点力を身に付けるのは難しい。

以上のように、これといった勉強法がない憲法だが、先日、友人から憲法の勉強法を問われたので、この機会に自分がやったことを書き出してみたいと思う。いちおうこれで点数はとれているので、参考にはなるかもしれない。

といっても特別なことはやっていない。このテキストを通読しただけである。

これはTACの公務員試験用のテキストだが、講義形式なので内容が非常にわかりやすかった。他の無機質なテキストと違い、まず読み物として面白い。最低限の判例は紹介されているし、近年司法書士試験で問われることの多い判旨についても触れてある。

自分はこのテキストを二回ほど通読し、あとは出題傾向を把握するために司法書士試験の過去問を一度まわしただけである。それでも点数はとれた。もちろん運が良かっただけかもしれない。でも、もし憲法で迷っているのならぜひおすすめしたい。